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ハミル館百周年記念行事・開催報告

2018.11.8

 ハミル館100周年記念礼拝・講演会は、ハミル館の設計者でもあるW.M. ヴォーリズが作詞・作曲した「ちのえにまことの」という賛美歌ではじまりました。中西康裕 文学部 副学部長、田淵結 関西学院 院長からもお言葉をいただき、当時ハミル館のそばを通ると、夜でも煌々と電気が点いており、「不夜城」のようであったというお話や、心理学実験の参加者としてハミル館にはいったときの思い出など、ハミル館にまつわる素敵なお話をしていただきました。

 記念講演では、 今田寛 関西学院大学名誉教授・元学長が「ハミル館100年の歩み 1918〜2018」と題した講演をおこなってくださいました。

 1918年、H.M.ハミルの特別献金により日曜学校教師養成所としてハミル館が設立されるまで、どのような話し合いのもとで建設が進んだのか、ハミル館の側で子供たちがどのように過ごしていたのかなど、多くの当時の資料や写真を用いてお話が進められました。

 現在は関西学院大学上ケ原キャンパス内にあるハミル館ですが、1929年まで、原田の森(現、神戸市灘区王子町)の松林の中に建っていました。日曜学校として使用される傍ら、平日は高等学部文科の仮校舎として使用されたり、心理学実験の実施のために使用されたりすることもあったようです。こうしてハミル館内の一室で始まった研究活動が、ハミル館を日本の私学で最古の心理学実験室発祥の地にし、今日の関西学院大学心理科学研究室の基盤を造り上げました。

 ご講演の後半では「原田の森時代」のお話からハミル館移転後の「上ケ原時代」のお話にうつりました。この時代は日中戦争や太平洋戦争の時期ともかぶります。戦争後は、アメリカンフットボール部の部室になったり、再び心理学実験の実施のために使用されたりするようになったそうです。その後しばらくして、ハミル館は心理科学研究室として正式に使用されるようになり、世界に発信される研究の数々がハミル館でおこなわれるようになりました。

 ハミル館を幼稚園としても研究の場としても経験されてきた今田寛 名誉教授は、常に心にあり続ける賛美歌として「小さい羊が」の歌詞とメロディーをご講演の最後に紹介されました。記念講演会には、ハミル館が日曜学校や関西学院教会付属の幼稚園として使用されていた頃の卒園者の方も多くお集まりいただいており、「小さい羊が」の合唱で講演会は終了しました。

 記念礼拝・講演会の後には、ハミル館の見学会も実施されました。内装は所々変わっているものの、二階へ上がる階段についた欄干や八角形の独特なデザインはそのまま現存しています。太平洋戦争や上ケ原への移転、そして阪神淡路大震災など、多くの出来事と共に歩んできたハミル館の歴史に皆想いを馳せながら、「ハミル館100年の歩み」を体感した式典となりました。

(記 白井理沙子・博士課程後期課程2年)

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