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寺尾将彦さんら「Nature Neuroscience」5月号に掲載

2008.6.11

博士課程後期課程3年生の寺尾 将彦さん(八木ゼミ)らが執筆した論文が「Nature Neuroscience」5月号に掲載されました。寺尾さんが所属する八木昭宏研究室とNTTコミュニケーション科学基礎研究所、科学技術振興機構さきがけが共同研究で、新しい錯覚を発見したもので、論文のタイトルは「Reduction of stimulus visibility compresses apparent time intervals」(刺激の見えの低下が見かけの時間間隔を縮める現象の発見)です。

人間が感じる時間はさまざまな要因で伸び縮みします。例えば「年を取るほど月日が経つのが早くなる気がする」「楽しい時間は短く感じ、つらい時間は長く続く」などが挙げられます。0.5~1秒単位では「時計に目を向けた瞬間、秒針が動き出すのに時間がかかる」などの時間の錯覚があります。
 これまでは、0.1秒のような短い時間差を脳がどのようなメカニズムで知覚しているのかは明らかにされていませんでした。寺尾さんらは、0.1秒間隔で2つの光刺激を点滅させるとき、その光刺激を見えにくくするだけで時間間隔が短くなったように見えるという新しい時間の錯覚を発見しました。本現象は、脳の時間情報処理メカニズムの解明に役立ちそうです。

寺尾さんによれば、今回の発見は「0.1秒の時間差を知覚するときには脳内の時計の様なものを読み出しているのではなく、入力時間差を直接符号化する神経機構が存在していることを示唆しており、神経科学的に価値の高い発見といえる」そうです。

 担当教員の八木教授は「『Nature Neuroscience』は、『Nature』の姉妹誌で掲載が受理されるのが非常に難しい。」と高く評価しています。

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