10月21日 Dr. Kennon A. Lattal講演会「How to get rid of behavior and what else can happen when you do」
2011.10.3
※このプログラムは終了しました
組織的な大学院教育改革推進プログラムの一環として、下記の講演会を行います。
日 時:10月21日(金)13:30~15:00
場 所:F号館307号教室
講演者:Dr. Kennon A. Lattal(ウェストバージニア大学心理学科教授)
学術振興会外国人招聘研究者(短期)(ID No:S-11015:大阪教育大学 大河内浩人准教授)
テーマ:How to get rid of behavior and what else can happen when you do(行動除去法とその副作用)
内 容:行動を低減する技法にはさまざまなものがある。そのうち重要な技法について紹介し、それらの有効性と実用性を比較考察する。具体的には、正の罰、負の罰、消去(強化子の撤去または反応-強化子関係の無相関化)について論じる。特に、消去技法の実験室研究場面および応用実践場面における諸問題について詳述する。
講演者紹介:Lattal(ラッタル)教授は、実験的行動分析の指導的研究者の一人であり、特に、反応と結果(強化刺激や罰刺激)の関係が反応に及ぼす影響の専門家である。具体的には、迷信行動や強化遅延、消去後の反応復活に関する基礎研究を動物およびヒトを対象として行ってきた。また、言行一致の動物モデルや行動分析学の科学史的研究などでも著名である。Journal of the Experimental Analysis of Behavior誌の編集長のほか、Journal of Applied Behavior Analysis誌、The Behavior Analyst誌などの編集委員も務めた。実験的行動分析協会会長、国際行動分析学会会長を歴任。米国心理学会第25部会(行動分析学)から基礎研究功績賞を受けているほか、米国心理学会第2部会(心理学の専門教育)から優秀教育賞、国際行動分析学会の大学院生委員会が選ぶ優秀指導者賞、ウェストバージニア大学の優秀教師賞などが与えられている。
講演後、行動分析学に関する大学院英語発表ゼミを下記のように開催し、
Lattal教授にもコメントをいただきます。関心のある人はこちらにも参加してください。
<大学院英語発表ゼミ>
時 間:15:10-16:40
場 所:F号館307号教室(講演会場と同じ)
発表者:
1) 堀 麻佑子
テーマ:Why humans prefer free-choice(ヒトはなぜ自由選択場面を好むのか)
2) 馬場ちはる
テーマ:Special education support based on applied behavior analysis in regular classrooms(応用行動分析学に基づく通常学級における特別支援)
行動除去法の“Big Three”である、(1)消去、(2)罰、(3)他行動の強化、についてラッタル先生(ウェストバージニア大学心理学科教授)にご講義を頂きました。各技法の手続きとその区別についてご説明頂いた後、それらの効用と副作用についてご紹介を頂きました。とりわけ、“Big Three”を使用した際の副作用についての研究内容は興味深く、フロアからは活発な質問がありました。最後には、これらの技法を実践場面に応用する際に考慮すべき点と、(行動除去法に関する)未解決の研究議題について考察をなされました。随所にデモンストレーションを交えられた楽しいご講義で、条件行動の不思議について、興味深い知見をいくつも得ることができました。
引き続いて行われた大学院英語発表ゼミでは、本学大学院の堀麻佑子さんと馬場ちはるさんによる研究発表が行われ、ラッタル先生からはそれぞれのご研究に対するコメントを頂きました。聴講した大学院生や進学希望の学部学生にとっても、刺激的な一時間でした。(文責:沼田恵太郎)