第2回小川・三浦合同ゼミ(3/10)のお知らせ
2017.2.7
第2回小川・三浦合同ゼミ
【日時】2017年3月10日(金) 14時~
【場所】F号館104教室
(1)小川・三浦ゼミの大学院生(各1名)による研究発表と議論(各90分) 14時~17時10分(予定)
発表者:中村早希(三浦ゼミD1)
【タイトル】複数源泉から複数方向の説得場面における態度変容プロセスの解明(1)
【要旨】これまでの実験では,複数人から異なる方向に説得を受ける場面においても,説得の2過程モデルによる説明が適用できる可能性が高いことを示しました。複数人から説得される状況では,被説得者は複数人の説得を同時に考慮し,説得者の属性や説得の論拠などの相対的な評価も説得に応じるかどうかの判断に使うと考えられます。しかし,現状の説得の2過程モデルのみでの説明では,こうした複数人から説得される場面特有の要因を考慮しきれていません。これからの実験では,説得者間の属性や論拠の違いが被説得者の態度変容プロセスに及ぼす影響に注目した実験を計画しています。皆様からご意見を頂けますと幸いです。
発表者:白井理沙子(小川ゼミM2)
【タイトル】社会道徳性嫌悪が私たちの知覚・認知処理に与える影響
【要旨】嫌悪感情は病原体や毒から生体を防御するために備わった原始的な反応であることが示唆されてきた (Rozin & Fallon, 1987)。しかし、嫌悪感情は人物の不道徳的な行為を観察することによっても喚起される。これまで、嫌悪感情生起の前提となる情報処理の過程に焦点を当て、生物進化の過程で獲得した嫌悪と、文化進化の過程で獲得したとされる社会道徳的な嫌悪に対する処理の違いを実験的に検討してきた。今回の合同ゼミでは、特に社会道徳的な嫌悪の対象が無意識下の処理過程や意識にのぼった後の注意処理・選好判断に与える影響を検討した研究を報告する。
ゲスト討論者:山田祐樹先生(九州大学基幹教育院),清水裕士先生・稲増一憲先生(関西学院大学社会学部),TBA
※これに先立って,ゲスト討論者の山田祐樹先生の講演会も以下の通り開催します.
第13回KG-RCSPセミナー
【日時】2017年3月10日(金) 11:10~12:40(予定)
【場所】関西学院大学西宮上ケ原キャンパスF104教室
【講演者】山田祐樹氏(九州大学基幹教育院)
【タイトル】認知心理学の周辺事態
【概要】どんな学問であれ,各研究者がそれぞれ独自に面白いと思うことを研究しているものである。一方で,その研究トピック選択には明らかな偏りも生じている。講演者は特に認知心理学における隙間市場をスヌーピングすることを好んできたのでそうした研究の紹介を行う。またさらに,研究トピックの偏好バイアスは研究結果の再現可能性問題やサイエンスコミュニケーションとも関連することを指摘する。これらのことを踏まえながら心理学の未来について参加者と議論したい。
※このセミナーは,公益社団法人日本心理学会サイエンスコミュニケーション研究会との共催です.
いずれも学内外からの参加自由.学外者は三浦(asarin(at)kwansei.ac.jp)にご一報下さい.
18時頃より西宮北口駅付近で懇親会を開催します.参加希望の方は3/1までに三浦にご連絡下さい.