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WWDC参加記(総合心理科学科1年生 林大翔君)

2017.6.18

2017年6月5日から9日まで,カリフォルニア州サンノゼで開催された世界開発者会議WWDC2017(アップル主催)に、総合心理科学科1年生の林大翔君が「スカラシップ」枠として招待されました。iPhoneなど,アップルの開発する商品に関する最先端の情報が明らかにされる場として、全世界から注目を集めるこの会議を生で体験した感想を,林君自身による文章と写真で綴ってもらいました。

WWDC参加レポート

総合心理科学科1年 林大翔

6月5日から9日にかけてカリフォルニア州サンノゼでアップルが主催するWWDC(世界開発者会議)にスカラシップ(奨学金)枠として招待されました。開発者や技術者を対象にしたイベントで、5,000人のIT関連の社会人と350人のスカラシップの学生たちが集まります。イベントでは、新製品の発表やアップルのエンジニアの技術等のセッションがあり、また、エンジニアやデザイナーの方々とマンツーマンで話をして自分のアプリをより良くするためのアイディアをもらいました。上の写真は待合室で食べ物がおいてあったり、パソコンの回線を自由に使える場所です。

となりにいるのは、関学高等部の佐々木くんです。彼は 小学校高学年からプログラムを組んでいて、総務大臣賞もとったことがある人です。彼に色々教えてもらいました。

私がプログラミングを始めたのは、高校のアメフト部を昨年の12月に引退した後に、数理科学部に入部した時です。1月から大学入学までの間に今までできなかったことをしたいと思い入部しました。その集大成として3月末に、アップルのWWDCのプログラムのスカラシップに応募したところ、通るとは思っていませんでしたが、合格しました。応募条件は「3分位で終わるパソコンで動くゲーム」で、私の作品はiPhoneに対応しているもので作り変えることが必要でした。また、その応募のことを締め切りが四日前に知ったので徹夜でつくりました。私の作品はApple Storeにあげています(URL: https://itunes.apple.com/jp/app/chess-of-football-english-ver/id1240699188?mt=8)。提出したのは写真左のようなシンプルなものでした。

その後少し発展させているので、Apple Storeにあげているのは写真右のものです。

開催は6月5日からでしたが、スカラシップ生達には4日にオリエンテーションがありました。そこではアップルのエンジニアの方々と雑談ができたり、アップルの社員による技術のセッションがあったりしました。最後に全体集合の写真を撮るときにいきなり真ん中にアップルの社長のティム・クックが現れました。一緒に写真も撮りました。その時の写真がこれです。

5日には、アップルのキーノート(新技術の発表に関する基調講演)がありました。2時間余りの講演でしたが、1人も寝ている人が見当たらないほど会場は興奮に包まれていました。

6日から9日までは、エンジニアの技術のセッションや、マンツーマンでアップルのエンジニアと

話せる「ラボ」と言われるものが毎日行われました。特に参考になったのは、ユーザインターフェースのラボに行ったことです。そこで学んだ事は、ただただアプリを作るのではなく、使用者の視点に立ちどのようにすれば使いやすいかを考えることの難しさでした。この分野の研究は心理学にも通じることがあると感じました。

6日にはオバマ夫人(ミシェル・オバマ氏)が来場しました。キーノートと違い、早いトーク形式だったため、よく意味がわかりませんでした。

ラボのエンジニアたちはとても親切で、こちらが英語はあまり得意でないことを知り、ゆっくり話してくれたり翻訳アプリを使って教えてくれたりなど、ラボで得られることが特に多かったです。セッションは、まだプログラミングを始めたばかりの私にとっては、知らない用語や技術などが英語で話されるので、少し理解に苦しむところもありました。

また、クパティーノにあるAppleの本社を訪れました。アップルの製品も美しいものが多いですが、本社の建物も美しかったです。その時の写真がこれです。

宿泊施設は、サンノゼ州立大学(シリコンバレーの企業に多くの卒業生を送り出している大学の1つ)の寮で、イタリア人と相部屋でした。今回の旅行を通して、アメリカ人とは英語が早すぎて友達になれませんでしたが、相部屋のイタリア人やインド人などと友達になりました。

WWDCとは関係ありませんが、1番の収穫は大学生で起業しサンフランシスコで働く野口さんと、関西学院同窓会サンフランシスコ/シリコンバレー支部長の阿部さんから、起業とはどういうものか、そしてこのシリコンバレーという街のサイクルを教えてもらいました。シリコンバレーはIT企業の拠点だけの町ではなく、新しい企業が生まれやすく、新しい企業が生まれては消えてを繰り返す町なのだそうです。そのお二方の話を聞いて、僕は将来サンノゼ州立大学の大学院に進学し、機会があれば起業したいと思いました。また、アップルは使用者の使いやすさを異常なほどに大切にしていました。

心理科学を学び始めて3ヶ月ですが、心理科学的な視点からのアプローチの重要性が感じられ、この学問をもっと学んでいきたくなりました。

 

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