2007年7月24日 Dr. Beutler講演会『心理臨床における研究と実践の歩み寄り』
2016.8.29
7月24日に関西学院大学において、「学術フロンティアプロジェクト」および「魅力ある大学院教育イニシアティブプログラム」の一環として、Larry E. Beutler教授の講演が行われました。
Beutler教授は、”Identifying Research Informed Principles of Practice”(邦題:心理臨床における研究と実践の歩み寄り)と題した講演を行われました。講演は、「研究に基づく臨床実践」には①治療技法中心の視点、②治療者と患者の関係中心の視点という2つの異なる視点があり、効果的な臨床技法とはこれら2つの視点を実証的に統合させたものであるといった内容でした。つまり、①治療技法中心の視点だけでは、患者の質的要因や治療者と患者の関係を重視していない、②治療者と患者の関係中心の視点だけでは、特定の治療の実証的な効果が分からないといった問題が生じるため、2つを統合する必要があるということでした。普段、臨床現場において患者と向かい合っていると、目の前の問題に対応することに必死で、なかなか「臨床実践の在り方」について包括的に考えることは難しくなります。このようなお話をお聞きしたことで、私自身も臨床家としてどうあるべきかについて考えさせられました。
私は、同大学の文学研究科の博士研究員であり、今回の講演にはスタッフとして準備段階から参加しました。微力ながら、学術講演会の運営や邦訳のスライド作りなどを手伝わせて頂きました。今後も、今回のような学術講演会に参加することで、様々な知見に触れる機会を増やしていきたいと思います。(文責:道城)