講演者：　小野田慶一 先生（追手門学院大学）

日　時：　2021年11月4日（木）15:00～17:00

場　所：　関西学院大学上ケ原キャンパス F号館102号教室

講演タイトル：　意識の神経基盤の探索

要旨：　なぜ，あるいはどのように我々の脳から意識が創発されるのか，意識のコアはどこにあるのか，意識については十分に明らかになっていない。本セミナーでは，意識の理論のなかでも有望なグローバル・ニューロナル・ワークスペース理論と統合情報理論を紹介し，それらの理論による神経基盤に関する仮説をfMRIデータから検証する。前者の理論では意識は脳内の広域的情報伝達と捉えられ，ワークスペースは局所的モジュールによって処理された情報を他のモジュールで利用できるようにするルーターである。前頭-頭頂ネットワークがワークスペースの基盤と目されている。一方で，後者の統合情報理論では，ある身体システムが莫大な情報を統合する際に意識が創発されると仮定している。さらにこの理論はシステムの内部のどこに意識のコアがあるかを明らかにするアプローチを提案し，脳の後部が意識のコアであると主張している。これらの意識の神経基盤に関する両理論の乖離を検討するため，様々な課題遂行時，及び安静時のfMRIから脳機能ネットワークのコアを推定し，意識が脳内のどこに分布しているのか検証した知見を報告する。

• 参加に際し、文学部・総合心理科学、文学研究科・総合心理科学専攻の方の事前連絡は必要ありません。それ以外の方は、教室変更時などのお知らせのため、佐藤暢哉（nsato[at]kwansei.ac.jp）まで、ご一報いただきますと幸いです。