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第54回 KG CAPSセミナー【3/9 篠原恵介先生(大阪大学)】のご案内

2022.2.22

講演者: 篠原恵介先生(大阪大学)

日 時:  2022年3月9日(水)15:00〜17:00

場 所: 関西学院大学上ケ原キャンパス F号館104号教室

講演タイトル: ラットの条件性風味選好における「デザート効果」

要旨: 動物は摂取後の経験によって食物の風味 (味や匂い) に対する選好を変容させる。例えば,摂取後に得られる栄養物(糖・脂肪)は,次回以降に同じ風味を呈する食物の摂取量を増加させる。この現象は条件性風味選好と呼ばれ,齧歯類(ラット・マウス)ではその存在が古くから報告されている。多くの研究では,1回の訓練試行の中で1種類の風味に対して栄養物を対呈示する手続きがとられる。一方,我々ヒトは多くの場合,一度の食事で多様な風味を経験し,その中で風味の受容には順序が生じる。特に,食事の最後に味わう「デザート」は好ましい風味として認知される。本発表では,齧歯類を対象に風味を経験する順序が後の風味選好に及ぼす影響を検討した筆者による研究を報告する。実験では,2種類の風味溶液のそれぞれに栄養物としてブドウ糖を加えたものを一定の順序(前半と後半)で空腹状態のラットに呈示する訓練試行を繰り返した。その後,風味溶液を同時に呈示するテストを満腹状態のラットに実施すると,訓練で後半に呈示した風味に対する選好が顕著に示された。栄養物をコーン油(脂肪)にして訓練した実験でも同様の結果が示された。これらの現象は,ヒトが通常の食事の後に摂取するデザート食品を好む傾向の動物モデルとなりうると考えられる。


  • 参加に際し、文学部・総合心理科学、文学研究科・総合心理科学専攻の方の事前連絡は必要ありません。それ以外の方は、教室変更時などのお知らせのため、佐藤暢哉(nsato[at]kwansei.ac.jp)まで、ご一報いただきますと幸いです。

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