講演者：　山本健太先生（神戸大学）

日　時：　2022年6月10日（金）13:00～15:00

場　所：関西学院大学上ケ原キャンパス F号館104教室

講演タイトル：　自閉スペクトラム症者のエピソード記憶研究

要旨：　自閉スペクトラム症（Autism Spectrum disorder; 以下ASD）とは，社会性の欠如や特定の行動パターンに固執するといった特徴をもつ神経発達症の一つである。近年，ASD者の自己と関連付けられた記憶の低下が注目されている。一般的に自己と関連付けて憶えると記憶成績が高まるが（自己参照効果），ASD者には自己参照効果が認められない。自己と関連付けられた記憶にはコミュニケーションの促進，よりよい行動選択，自己一貫性の維持，感情調整といった機能があることが知られている。これらの機能はASD者が不得手とする機能でもある。本発表では，上記の記憶機能を研究の着想とし，発表者がこれまでにおこなってきた記憶モニタリングに関する研究を紹介する。具体的には，自身がおこなったことと他者がおこなったことに関する記憶の区別（研究1），成功したか失敗したかに関する記憶の区別（研究2），想像と現実に関する記憶の区別（研究3）を紹介する。その他，ASD者の感情調整に関する研究についても紹介する。

• 参加に際し，文学部・総合心理科学，文学研究科・総合心理科学専攻の方の事前連絡は必要ありません。それ以外の方は，教室変更時などのお知らせのため，伊藤友一（yito[at]kwansei.ac.jp）まで，ご一報いただきますと幸いです。