講演者：　石津智大先生（関西大学）

日　時：　2023年6月7日（水）17:00～18:40

場　所：　関西学院大学上ケ原キャンパス F号館102教室

講演タイトル：　悲劇芸術の仮想の悲しみ

要旨：　悲劇的な舞台演劇や悲しい音楽は，時代や地域を問わず常に人々の心を捉えてきました．それが主題とする悲哀や苦しみは，しかし、わたしたちが普段経験することを避ける感情といえます．なぜわたしたちは芸術やエンターテインメントの文脈では悲劇を美的な経験として楽しむことができるのでしょうか？ 美しさと悲哀、ポジティブとネガティブといった，一見相反するものをわたしたちはどのように受け入れているのでしょうか？ これらの疑問は，わたしたちの芸術に対する感情や理解を深める一助となるでしょう．
　本トークでは，負の感情価を持つと考えられてきた美的経験である「悲哀美」について神経美学の立場から議論します．人文学的議論，生理心理学的実験，脳機能研究，データ駆動型研究の知見をとおして，悲劇芸術における「仮想の悲しみ」について経験科学からの視点を提供します．

• 参加に際し，文学部・総合心理科学，文学研究科・総合心理科学専攻の方の事前連絡は必要ありません。それ以外の方は、教室変更時などのお知らせのため、佐藤暢哉（nsato[at]kwansei.ac.jp）まで、ご一報いただきますと幸いです。