講演者：　勝野吏子先生（大阪大学）

日　時：　2025年2月27日（木）16:00～17:30

場　所：　関西学院大学上ケ原キャンパス F号館104教室

講演タイトル：　ニホンザルにおけるコンタクトコールの機能とその伝達にかかわる要因

要旨：　ヒト以外の霊長類において、集団内の個体の間でもっとも頻繁に用いられる音声はコンタクトコールとよばれるものである。ニホンザルはコンタクトコールによって、他個体と凝集性を保ち、社会交渉を円滑に行うことが可能になる。本発表では霊長類におけるコンタクトコールの機能を概説し、ニホンザルがその社会の中でコンタクトコールをどのように用いているのかについて、餌付け集団のニホンザルを対象とした研究を紹介する。特に、生息環境において生じる背景雑音や他個体の存在が発声の音響的な特徴にどのような影響をもたらすのか、複数個体が発声する際には、他個体の発声との間にタイミングの調整といった相互作用が生じるのかについて、紹介する。サルの音声コミュニケーションは、ヒト言語の進化の観点から研究されることも多い。ヒト言語の特徴でもある話者交代について触れながら、霊長類の発声とヒト言語との相違点、類似点について議論したい。

• 参加に際し，文学部・総合心理科学，文学研究科・総合心理科学専攻の方の事前連絡は必要ありません。それ以外の方は、教室変更時などのお知らせのため、佐藤暢哉（nsato[at]kwansei.ac.jp）まで、ご一報いただきますと幸いです。