成田 健一 教授
生涯発達心理学、精神的健康、質問紙法
発達を広く一生の問題として捉える生涯発達心理学的視点から、広義の精神的健康を自己報告式の質問紙によって測定することに興味を持っています。高齢社会と言われて久しいわが国ですが、高齢者と言ってもその実情は様々です。私たちはその実情をあまり知らずに、したり顔で評論しがちです。では、実際に青年期~成人期~老年期など、それぞれの時期によって、精神的健康に関連する心理学的な諸概念はどのように変化するのでしょうか?また構成概念を測定する指標として何が適当なのでしょうか?自己報告式の質問紙は測定が簡単であるため、安易に使われやすいものです。同じ言葉を使えば、年齢群が異なっていても同じように測定できるでしょうか?人の持つ多様性が花開く老年期における精神的健康や関連する構成概念を、他の時期との比較の上で、どのように測定するかという問題は難しくもあり、面白いものだと感じています。