「心理学ベーシック」シリーズ サポートサイト
関西学院大学心理科学研究室の専任教員が監修・編集し,研究室メンバーやご縁のある方々にご執筆をお願いした「心理学ベーシック」シリーズ(北大路書房)全5巻が刊行されました.心のはたらきを科学的に見つめるまなざしを養い,「自らの手で研究すること」に力点をおいた全5巻のシリーズです.このサイトでは,各巻の読者の方々が,より詳しく幅広く学ぶための様々なサポート情報を提供します.
◎シリーズ監修 三浦 麻子◎
第1巻 なるほど! 心理学研究法 三浦麻子 著
第2巻 なるほど! 心理学実験法 佐藤暢哉・小川洋和 著
第3巻 なるほど! 心理学調査法 大竹恵子 編著
第4巻 なるほど! 心理学観察法 佐藤 寛 編著
第5巻 なるほど! 心理学面接法 米山直樹・佐藤 寛 編著
《巻頭言 より》
「心理学を学ぶこと」をめぐる状況は,2015年に国家資格「公認心理師」が制度化されることが決まったことによって大きな岐路に立った。公認心理師の国家試験受験資格を得るためのカリキュラムが制定されたが,そこでは実験実習にあまり重きが置かれていない。しかしわれわれは,心理職としての現場での実践を有為なものとするためには,何よりもまず,心理学諸領域の基礎的な知見や理論を学び,それらをふまえて自らテーマを設定して研究を計画し,収集したデータを分析・考察するという一連の科学的実証手続きを遂行するためのスキルとテクニックを習得することが必要だという強い確信を持っている。心理職は現場で科学者たるべしというこの考え方を「科学者-実践家モデル」(scientist-practioner model)という。心理職が医師や看護師,あるいは教師と協働することの意義は,彼らとは異なる角度から同じ現場を見つめる視点を導入できるところにある。その視点こそが科学者としてのそれである。